はじめに
はじめまして。紗栄子です。このたび、アイランドホースリゾート那須という牧場を「NASU FARM VILLAGE」と新たに名称を変更し、運営することになりました。
人を介してこの土地を訪れ、はじめて見た瞬間から、この牧場の馬たちの愛らしさや、素晴らしい景色の虜になりました。
あるとき、この牧場の持ち主が変わると聞いて、ここで生きる馬たちと、この牧場で働くスタッフたちの将来が危ぶまれている状況を知り、いてもたってもいられず、何か自分に出来ることはないかと様々な方にご相談しました。
そこで牧場運営の難しさを伺い、また生き物を扱うという大きな責任を前に私のような素人には到底出来ないだろうと半ば諦めていたのですが、牧場で働くスタッフのみなさんの後押しもあり、勇気を奮い立たせ、運営することを決めました。私がここで目指すのは、殺処分になる馬たちのセカンドライフを築くこと。殺処分となる馬たちを私たちの牧場で引き取って、その馬たちが穏やかな環境でもう一度人と触れ合い、自信を取り戻すことのできるように、”馬を守るための事業”を通して保護馬が新たに輝ける場所を提供することです。人のために頑張って働いてくれた馬たちの余生が幸せであって欲しいと願っています。競走馬や競技馬として人間と共に必死に走り、戦ってきてくれた彼らは時には怪我や病気になることだってあります。そういった理由で引退した馬たちは、その後どうなっていると思いますか?乗馬クラブや動物園、観光牧場などで、新たなキャリアを歩んでいる馬がいるのも事実ですが、実は、それは引退した競走馬のほんの一部にすぎません。引退後、行方がわからない馬もたくさんいると聞きます。実際にはどうなってしまっているのか…?考えたくないけれど、これが現実です。その数は正確にはわからないものの、年間3,000頭以上とも言われています。