-まえがき-
僕にはずーと胸の奥につっかえている経験があります。
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農家さんがお店にカゴいっぱいの朝獲れナスを持ってきました。
ナスの値段はひとつ120円。
料理長は偉そうに言いました「120円じゃちょっと高いよ~!80円なら買うよ。」農家さんは苦笑いしながら「わかりました。80円で卸させていただきます。何本置いていきましょうか?」「そしたら2本ちょうだい。」・・・これでいいものなのか?僕は現場にいてずーっと疑問でした。手塩にかけた商品わざわざ届けにきて代金160円。毎日持ってきたって月4800円。
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確かに飲食店の利益率、消費力から考えれば然りの流れであることは事実です。
しかしながら、経済活動の一端という視点で考えればあるべき姿ではないことは鮮明です。
本来共に盛り上げていくべき生産者さんと飲食店が足の引っ張りあいをし、結果互いの首を絞める形になってしまっている。だから食に携わる分野が経済化を図れていないのでは?と僕は考えるようになりました。