信州渋温泉にある温泉宿「歴史の宿金具屋」の九代目にあたる西山和樹と申します。大学卒業の2001年より金具屋で宿の仕事をしております。現在「金具屋文化財巡り」を行い、ご宿泊の方に建物のご案内を毎日行っております。
プロジェクトご覧いただきありがとうございます。長文ですがお付き合いいただければと思います。
金具屋には昭和11年に建設された木造4階建ての客室棟「斉月楼」と建築面積200畳の木造「大広間」があり、文化庁の登録有形文化財に認定されています。現代では数少ない昭和の『擬洋風建築』とされ、さまざまな作品の資料や舞台としても使われてきました。
今、建築後85年を超え、修繕や維持管理に年間数百万ほどかかっております。文化財といっても行政からの金銭の支援はほとんどありません。旅館にとっての収入は基本的にお客様のご利用の宿泊料のみ。災害や感染症の影響ですぐに消えてしまう不安定なものです。そこで、宿泊料のみではなく、直接のご支援をいただくルートが考えられないものか、そしてその際にも、楽しいと思ってもらえるもの、また宿へ行きたいと思ってもらえるものはないかと考え、企画したものです。