――遠花火――
淡いオレンジと白い閃光を瞬かせ、最後に蒼い花を咲かす。
近年みられるようになった天文現象を、いつからか人はそう呼んだ。
舞台はどこにでもあるような田舎の学校。
言の葉サークルとよばれる、文芸部と茶道部を合わせたような部活に所属する主人公は、
遠花火が見えたとある夜、泉の真ん中でずぶ濡れになっている少女と出会う。
少女――ユエナと、言の葉サークル部長、東雲 詩乃との三人で、
なんでもない日常を過ごしていくが、
次第にゆったりとした現実に、突如として加速した非現実が迫ってくる。
会えないと思っていた人との出会い、迫る非現実の秘密。世界の■■――。
彼女の手をとることが、やがて世界を変えるのだとしても、ぼくは。