はじめに・ご挨拶
綾辻行人、法月綸太郎、我孫子武丸、麻耶雄嵩らを新人として世に問い、新本格ミステリ・ムーブメントを立ちあげ、後に講談社文芸図書第三出版部・部長時代に京極夏彦を筆頭に数々の人気作家を輩出し、メフィスト賞を設立。令和の現在に至るミステリ・シーンを語る上で欠かせない偉大な仕事を成し遂げた「名編集者・宇山日出臣(うやま・ひでお)」が亡くなって、今年で15年になります。
僕こと星海社社長・太田克史はその宇山日出臣の教え子の一人として今も編集者としての日々を送っています。この宇山さんの15周忌を期に、宇山さんから大切に引き継いだミステリのバトンを、今一度皆でしっかりと受け止め、改めてミステリの未来を切り拓くために今回の追悼文集を企画したいと思います。
編集者・星海社代表取締役社長/太田克史
このプロジェクトで実現したいこと
2021年を迎え、この8月には新本格ミステリの父と謳われる名編集者・宇山日出臣が逝去してから15年が経過します。この期に宇山さんが残した足跡を改めて辿るべく、追悼文集の出版を企画いたします。この本の中核は、編集者としての宇山さんと共に偉大な仕事を成し遂げた人気作家の方々の手による追悼文ですが、しかしたんなる「追悼文集」の枠に収まらない、名編集者としての宇山日出臣の世界が一冊の本から立ち上がってくるようなにぎやかな仕上がりを目指したいと思います。ミステリファンの皆さん、ぜひお力を貸してください。