私たちは、社会の細部に厳しくも温かい眼を注ぎ、被写体と作り手の意思を強烈に魅せてくれる映像作品に敬意と愛情を抱いています。そんな7人が「映画」にかかわる書籍を制作・刊行する零号出版を立ち上げました。小劇場の支配人、デザイナー、介護士 、スタイリスト、映画プロデューサー、ジャーナリスト…… 。7人の職業はそれぞれ異なりますが、みんな、映画や映画に携わっている人々を深く愛しています。
書店や図書館の書棚には「映画」を題材にした夥しい数の本が並んでいます。それでもまだ刊行されていない映画業界の物語はたくさんあります。それほど「映画」にかかわる人の仕事は多岐にわたり、それぞれがみな魅力的で面白いのです。そのなかには多くの映画ファンに知らせ残したい煌めく言葉を持つ人たちがいます。私たちはそんな人物にスポットを当て、まだどこからも出ていない「世に出すべき意義ある映画関係の書籍」を出版したいと考えました。一人は、『極私的エロス・恋歌1974』『ゆきゆきて、神軍』『全身小説家』『水俣曼荼羅』など、原一男監督の一連の作品のプロデューサーとして知られる 疾走プロダクションの代表・小林佐智子さんの書籍です。そしてもう一人は、『主戦場』『キャタピラー』『PEACE』『人生フルーツ』など、宣伝を手掛けた作品はどれも大ヒットという松井寛子さんの書籍です。映画一筋に生きてきたこの2人の物語、そのスピリッツを書籍化して多くの映画ファンに届け、伝えたい。そんな思いからこのプロジェクトをスタートさせました。