はじめに・ご挨拶
この「流れる雲よ」は2000年にラジオドラマとして全国のFM局でオンエアーされ、第38回ギャラクシー賞奨励賞を受賞しました。作者はマスコミ・エンターテイメントに身を置く人間で、日本が戦争で悪い事ばかりしていたと信じ、日本が大嫌いな人間でした。しかし、1999年、たまたま仕事で訪れた鹿児島知覧の地で、若い特攻隊員の遺影と遺書の数々を目にして、頭を殴られたような衝撃を受け、人生が変わりました。戦争という狂気の時代に命を懸けて祖国を護った多くの人々、多くの若者たちが居た事、そこから気づかされていった多くの真実を、メディアを使ってなるべく多くの人に伝えたいと考え、ラジオドラマという形にして誕生させたのが「飛行機雲」(「流れる雲よ」の初期の頃のタイトル)です。そしてその時から同時にスタートさせた舞台演劇。23年たった今は、北海道から沖縄まで全国の実行委員会の皆様に支えられ、毎年公演を続けております。しかし、演劇という世界に全く興味のない人や、若い学生の皆さんにも、何とか真実の想いを知って欲しいと今回立ち上がったのが、この漫画化プロジェクトです。