はじめに・ご挨拶
奥村そらと申します。都内近郊を中心に俳優・ナレーターとして活動しており、近年はご縁と興味の赴くまま、朗読公演の演出や舞台等の着物スタイリングなども手がけ、ジャンルを越えて活動しています。
2021年夏には第一子となる長女を出産。出産後3ヶ月で舞台にも復帰し、精力的に活動を再開しました。今回初めて映画脚本を執筆し、出演と監督を務めます。
この企画の発端
昨年3 月に祖母が他界しました。98歳の大往生でした。
祖母の逝去から1年が経って、祖母の家の売却が決定。
父からその知らせを聞いた後、私はひとり声をあげて泣きました。
築45年、決して豪奢ではないながら丁寧な造作がそこここに覗く、二階建ての一軒家。大きな磨りガラスの明るい台所、家の中心で家族の団欒を包んできた居間、石灯籠の立つ昔ながらの庭、タイル張りの風呂場、作り付けの神棚、勝手口、石塀...。
古く懐かしい昭和の生活が刻まれたこの家が、私はただただ大好きでした。