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人知れず忘れられた悲運の伝統食材

みなさんは、江戸時代に庶民の間で伝統の滋養源として広く愛されながらも、現在ではほとんど姿を消してしまった植物由来の健康素材があることをご存知でしょうか？ 時代とともに忘れられた幻の秘草、その名は「ナルコユリ根」。

＜キジカクシ科 ナルコユリの根＞

＜乾燥したナルコユリ根＞

古くより東洋医学で用いられてきた「黄精」の原料として知られるこの自然素材は、大地の肥沃な栄養を贅沢に蓄えた滋養成分の塊。とくに江戸時代では、毎日を健やかに過ごすためのチカラを求める庶民から重宝されるほど身近な存在で、晩年までハツラツとして俳句の創作に打ち込んだことで知られる小林一茶も愛用していたことを記す日記が今に残されています。

＜小林一茶像＞

＜江戸時代に編纂された百科事典『和漢三才図絵』でも紹介されている＞