- 日本の伝統文化である芸妓文化もっと深く知っていただきたい
- 会津若松で真衣が受け継いできた家業をどのように守り、芸妓の伝統を残そうとするのかを描いた個展
- 平安神宮至近の京都写真美術館で失われつつある地方都市の文化の存続に少しでも貢献したい
写真展「芸を継ぐ者」は日本在住のフランス人写真家ニコラ・ダティッシュによる写真展です。福島県会津若松市にある置屋「花の家」の三代目芸妓である渡辺真衣の公私を3年かけて撮影した作品の個展で、平安神宮からも至近の京都写真美術館で開催されます。現在も芸者文化の中心として知られる京都にて、失われつつある地方都市の芸妓文化、「花の家」の歴史を守り継承しようとする真衣の姿を表現できることをとても光栄に思います。
34歳の渡辺真衣は、伝統的な芸妓*(東北地方での芸者の意)一家の娘である。18歳のときに祖母、母と同じ道をたどり、名高く、且つ誤解されがちな芸妓としての道を歩む決意をした。しかし地方での人口減少が進む中、自身に子供のいない真衣は、芸妓としての知識を受け継ぐ花の家最後の後継者となるかもしれないのである。それにも関わらず、真衣は伝統を絶やさないよう日々奮闘している。
真衣に初めて会ったのは、8月らしい蒸し暑い日だった。東山温泉での祭りに招かれ、それはまさに田舎での真衣の仕事や生活ぶりを知る絶好の機会であった。それ以来何度も顔を合わせ、彼女の暮らしや芸妓としての仕事、その女系世襲について会話を重ねた。2020年以降、真衣は芸妓としての顔だけでなく、私生活も記録させてくれている。