漢方の世界に魅了されて20年、漢方の葵堂薬局 西岡　敬三です。漢方、栄養、カウンセリングなどいろいろな方面から妊娠しやすい身体づくりの提案をしております。私の薬剤師としてのスタートは製薬会社で胃潰瘍・高血圧の薬を開発することでした。病気に関する様々な症状を改善するために、西洋医学をベースにいまあるものよりより良い新薬を研究開発することが当時の私の使命であり、当時の私にとって最も興味深いものでした。学生時代に東洋医学の授業はあったものの、さほど興味を持たずに製薬の世界にいました。ただひとつ、当時から、西洋医学の薬は特に慢性病の場合、飲み続けないといけない場合が多いことに疑問は持ち続けていました。健康とはいったいどういう状態なのか、という漠然とした命題はいつも頭の片隅にありました。

ある日、妻が妊娠中に風邪をひいてしまい、薬を飲むのは避けたいと近くにあった昔ながらの漢方薬局で漢方を処方してもらいました。3日分の処方というその量の少なさに驚きつつ、半信半疑で様子を見守っていたところ、3日目には体調がもどっていました。「漢方薬は長く飲み続けないと効かない」という先入観が覆された出来事でした。この出来事をきっかけに、漢方への探求心に火がつき、漢方の奥深い世界に魅了されていくことになりました。「漢方」とは、中国から日本に伝えられた中国伝統医学の日本での呼び方です。奈良時代に日本へ伝えられた中国医学は日本の風土に合わせて独自で発展し、「漢方」と呼ばれるようになりました。 漢方医学と言えば「漢方薬」が有名ですが、鍼や灸で治療を行う「鍼灸」も漢方医学のひとつです。漢方医学では、個人の体質や体のバランスを重視して診断を行うことを大切にしています。その考え方には「虚実 (きょじつ)」や「五臓 (ごぞう) 」、「気(き) 血 (けつ) 水 (すい) 理論 」などが用いられ、「病気の進行具合」 も参考にします。つまり、さまざまな角度から症状や体質を考え、ひとりひとりに適した治療を選んでいくのが漢方治療の基本だということです。 ※効果や体感には個人差があります。