野犬という得体の知れない動物が、あなたの愛おしい家族になりうることを想像したことはありますか？ 一匹の野犬が教えてくれた、すべての命あるものの尊さを、絵本をとおして一人でも多くの人に伝えたい、そんな思いからこのプロジェクトは生まれました。
はじめに
はじめまして。富田公恵（姉、とみだきみえ）、富田通代（妹、とみだみちよ）の姉妹チームです。きみえはオーストラリアメルボルン、みちよは岐阜県山間部に在住しています。
みちよは、長年、服飾デザイン業界に勤務。そのかたわら、絵を描くことをライフワークとし、絵本出版の夢が半生にわたって彼女の創作活動を支えてきました。このたび、絵本を通じて、野犬の存在とその魅力を一人でも多くの人に伝えたいという想いから、このプロジェクトの立ち上げを決意しました。
▼野犬と彼らを取り巻く環境
2021年6月、みちよは1匹の元野犬イブ（推定年齢2歳のメス）と出会い、彼女の里親となりました。それがきっかけで、私たち2人は、日本でのペットを取り巻く環境の社会問題について深く知ることになりました。
特に、あまり馴染みのなかった「野犬」の存在を知り、彼らが日本各地、とりわけある地域に多く生息しているという事実に驚かされました。野犬とは、迷子になって通りさまよっているような家庭犬とは違い、野生で生まれ育ち、人と暮らしたことがない犬のことです。親や祖父母の代まで野犬というケースが多く見られます。
