こんにちは。映画「森へ」で脚本と共同監督を務める伊藤浩志です。
映画「森へ」は、俳優の嶋村友美と奥村アキラを主演に映画を撮ることを想定して、同じく俳優である私が脚本を書いた長編オリジナル作品です。
私たち俳優が中心となって世界にも通用するような映画を作る。そのような意気込みでこの映画はスタートしました。
このようなことを始めたのには、私なりの理由があります。
俳優という職業は、基本的に誰かから役をもらうことではじめて動き出すことが出来ます。
作品ごとにある多種多様な世界観。それを作ろうとする様々な考えを持った監督やプロデューサーやスタッフの方達。それらの要求に、己の身体ひとつをもって全力で応えていくことで、俳優はようやく作品の一部になれるのです。
しかし一方で俳優は、ただ指示や要求に応える存在ではなく、自ら作品を体現する主体であり、作品を形のあるものにする張本人だと私は思っています。作品作りにおいて、監督や脚本家だけが作家なのではなく、俳優もまた作家なのです。