初めまして。私は、大阪・堺の上神谷(にわだに)という地で、農園「ゆにわの里」を経営している寺田将樹(64)です。「ゆにわの里」では、農薬と化学肥料を使わずに米を育てています。いわゆる自然栽培農法というものです。
上神谷の風景(大阪府堺市南区)
収穫した米は、米として売るだけでなく、米粉や米粉麺、日本酒に加工し、飲食関係のお店に卸しています。食の安全に対する意識の高い飲食店を中心に取り扱っていただいているので、もしかしたら「知ってる!」「食べたことある!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
「ゆにわの里」の米の栽培方法は、ちょっと変わっています。米農家が田植えをする際、一般的にはJAなんかで苗を買ってきますよね。でも、ゆにわの里は、タネ(米)を発芽させて苗を作るところから始めるんです。なぜなら、買ってきた苗にはすでに農薬成分が含まれているからです。
米粒から発芽した米
ゆにわの里の田んぼには、虫や動物が住みつきトンボが空を舞っています。「そんなの普通じゃない?」と思わるかもしれませんが、農薬や化学肥料で汚染された田んぼに生き物は住むことができません。「カエルだーって、オケラだーって、アメンボだーって♪」と歌えていた時代ではもはやないのです。