神話の時代より熱い信仰を集め続けてきた熊野の神々。あらゆる身分の人々が厳しい難路をたどり熊野の地をめざしました。
書家・柏木白光は、熊野へと通じる参詣の路を歩み、人々の祈りの場である紀伊半島の聖地を書巡礼してきました。それぞれの地において、そこに宿る聖なるものと対話し、舞い降りた想いを筆と墨と紙で昇華する。
12 年の歳月をかけ、神社仏閣をはじめ 89ヶ所の聖地において積み重ねてきた書巡礼の集大成が「天と地」です。全作品を収録した作品集『天と地 熊野をめぐる書巡礼』を冨山房インターナショナルより出版します。更に、三重県伊勢市の国指定重要文化財「賓日館」にて、2023年4月8日から5月7日まで、展覧会『天と地 熊野をめぐる書巡礼』を開催いたします。
書家として日本の伝統文化と精神世界について学び続けてきた柏木白光が、古来より巡礼の路であった熊野古道をテーマに作品制作を決意したのは2009年のことでした。以来、12年にわたり、その歴史をひもとき、熊野へと続くルートにある神社や寺社などの聖地を訪ね、企画への賛同を得ながら現地にて作品を制作してきました。訪れた聖地の数は89ヶ所。その集大成『天と地』を多くの人々に伝えたいと、プロジェクトが立ち上がりました。