はじめに
私たちは「こどもホスピス」や「病院」へ手作りのあかりを届ける「あかりバンク」という活動を続けてきました。そして、施設の利用者や、職員の皆さんから「あかりに癒されています」というお声をたくさんいただいています。しかし、この活動を通じて、病気や障害とともに生きる子ども達にとって、施設の利用は一時的であり、在宅生活の方がずっと長いという事に気付きました。つまり、お家に帰れば天井の明るい照明だけ・・というのでは、最も過酷な「夜の介護」の負担は軽減されません。今必要なのは、お家の照明環境を変えることです。
在宅での過酷な夜の介護を少しでも楽に
人工呼吸器や経管栄養を必要とする「医療的ケア児」が在宅生活する場合、日々の介護は家族が担います。そして、このような介護負担はお母さんに偏りがちです。お母さん達は、長期間に渡って、夜に何度も目を覚まし、機器の管理や介護をしています。光が人間の生活リズムに影響を及ぼすことは知られていますが、夜の介護のための照明環境についてはこれまで注目されてきませんでした。