日本舞踊家の藤間直三です。
この度、第三回「直三の会」を、かねてからの念願でありました国立劇場にて開催し、「うかれ坊主」、新作舞踊「蠍と蛙」、「春興鏡獅子」の三演目を上演をさせていただく運びと相成りました。今年10月いっぱいで改修工事に入る初代・国立劇場。最初で最後のチャンスに、母・藤間千代三との一門会であります「藤弥会」とともに自主公演を催させていただけますこと、この上ない幸せです。◎日本舞踊との出会い
「お母さんみたいな日本舞踊の先生になりたいです」そう言ったときから、僕の日本舞踊家としての道が始まったように思います。保育園の卒園式を終えたあとの、母の驚いた顔を今でも鮮明に覚えています。
▲初代で日本舞踊の道を志した母・藤間千代三
母は、本気でやるならと秀三師の稽古場に連れて行ってくれました。初めてのお稽古は、和の世界では芸事が上達すると言われている6歳の6月6日。師匠の稽古日ではない日曜日だったのにも関わらず、特別に稽古をつけてくださいました。秀三師がいらっしゃなければ、今まで日本舞踊を続けられてはいなかったと思います。師匠のおかげで日本舞踊が大好きになり!夢であった「日本舞踊の先生」が、だんだんと目指すべき目標となっていきました。大学を卒業するのと同時に、同門であります秀之助師匠に師事できますよう、道を繋いで下さったことも心より感謝しております。